
腰の神様がくれた座椅子はニトリにある?腰痛におすすめの選び方
こんにちは。高松市の悠大整体院で日々の施術にあたっている山本です。
当院に来られる腰痛のお悩みを持つ患者様から、先生、家で座っているのが辛いんですといったご相談をよくいただきます。そんな中で、ネットで評判の腰の神様がくれた座椅子について聞かれることも増えてきました。自宅でのテレワークやリラックスタイムが増えた今、長時間座っても疲れない椅子への関心が高まっているのを感じます。
確かに、道具を見直すことは腰への負担を減らす大きな一歩です。しかし、体の専門家としてお伝えしたいのは、ただ評判の良い椅子を買えば解決するわけではないということです。大切なのは、その椅子があなたの骨格に合っているか、そして正しい座り方ができているか、という点です。
この記事では、話題の座椅子がどこで手に入るのかという情報は整理しつつ、整体師の視点から、本当に腰をいたわるための座椅子の選び方や、ニトリ製品との構造的な違いについて深掘りして解説します。あなたが自分にぴったりの一脚と出会い、腰の不安なく過ごせるようになるためのヒントを持ち帰ってください。
- 腰の神様がくれた座椅子がニトリ店舗で販売されていない事実がわかる
- 整体視点で見る、腰痛持ちが座椅子選びで失敗しないための構造チェックポイントがわかる
- ニトリで探すならどれ?骨盤を立てやすいおすすめのタイプがわかる
- 道具に頼りすぎない、腰の負担を最小限にする座り方とケアがわかる
腰の神様がくれた座椅子はニトリにあるか?

まずは、皆さんが一番気になっている購入先について、事実関係をサッと整理しておきましょう。その上で、なぜ私が実店舗での確認を推奨するのか、体の観点からお話しします。
腰の神様がくれた座椅子はどこで売ってるのか
結論から言うと、腰の神様がくれた座椅子は、明光ホームテックというメーカーの製品であり、ニトリのプライベートブランドではありません。そのため、基本的にはニトリの店頭には並んでいません。
主な購入ルートは、楽天市場やAmazon、そしてメーカー直営の座椅子生活といったネット通販が中心です。ネット上の口コミや評判が良いので、そのままポチりたくなる気持ちも分かります。しかし、私たち施術家からすると、試座(試し座り)なしでの購入は、ある種のリスクを伴うものだと感じています。
なぜなら、腰のカーブ(腰椎前湾)の深さや、お尻の大きさは人によって千差万別だからです。万人が絶賛する椅子でも、あなたの骨格に合うとは限りません。もし通販で購入される場合は、返品保証があるか、詳細なサイズ表が自分の体格とマッチしているか、これらを慎重に確認してください。
通販で購入する際の「サイズ」と「重さ」の盲点
特に見落としがちなのが、座椅子の重さです。高機能な座椅子は、金属製のギアやしっかりしたクッション材を使っているため、10kg近くになることも珍しくありません。掃除のたびに持ち上げたり、部屋を移動させたりする際に、重すぎると腰への負担になってしまいます。
商品ページのスペック表で重量を必ずチェックし、米袋(5kgや10kg)など身近な重いものと比較して、自分が無理なく扱える範囲かどうかをシミュレーションしておくと安心です。
搬入経路の確保は腰を守る第一歩
また、梱包サイズが非常に大きくなることもこのシリーズの特徴です。届いたダンボールが玄関を通らない、あるいはリビングまで運ぶのに無理な姿勢をして腰を痛めてしまった、となっては本末転倒です。廊下の幅やドアの間口を事前にメジャーで測り、スムーズに搬入できるか確認しておきましょう。
腰へのフィット感を重視した機能の特徴

この座椅子がなぜ腰痛に悩む方々に支持されているのか、その理由を骨格の仕組みから解説します。最大の特徴は、背もたれと座面の間にある可動式のクッション、通称神の手機能です。
通常、私たちが座椅子に座ると、背もたれと腰の間に隙間ができます。この隙間があると、骨盤が後ろに倒れようとする力が働き、結果として背中が丸まってしまいます。これが、腰の筋肉や椎間板に大きなストレスをかける原因です。
この座椅子は、その隙間を物理的に埋めることで、骨盤を立てた状態をキープしやすくする構造になっています。整体の施術でも、腰の下にタオルを入れたり手で支えたりすることがありますが、それに近いサポートを椅子がやってくれるイメージです。
「神の手」機能がもたらす感覚とは
腰椎(腰の骨)は、本来なだらかなS字カーブを描いています。このクッションが独立して動くことで、個人のカーブに合わせて隙間を埋められます。これは、長時間の座位姿勢で圧力が一点に集中するのを防ぐ上で、非常に理にかなった機能と言えます。
通常の背もたれだと、腰が浮いてしまう感覚がある方や、背中にクッションを挟まないと落ち着かない方にとっては、まさにかゆい所に手が届く機能と言えるでしょう。
リクライニング段数の多さと活用シーン
頭や足元のリクライニングが細かいことも、血流維持の観点から評価できます。ずっと同じ角度でいると筋肉が固まってしまいますが、少し角度を変えるだけで、使う筋肉が微妙に変化し、疲労の蓄積を分散できるからです。
例えば、1時間は背もたれを90度近くにして作業し、次の1時間は少し倒してリラックスする、といった使い分けができるのが多段階リクライニングの強みです。
予算重視ならしまむらの900円座椅子も検討
一方で、しまむらなどで販売されている安価な座椅子を検討される方もいるでしょう。コストを抑えることは大切ですが、腰痛対策として考えるならば、少し注意が必要です。
安価なモデルの一部は、クッション材の密度が低く、座ったときにお尻の骨(坐骨)が床の硬さを感じてしまうことがあります。坐骨への突き上げ感は、無意識に姿勢を崩す原因となり、結果として腰痛を引き起こすトリガーになりかねません。
安価なモデルの上手な使い道と補強術
もし安価な座椅子を使うのであれば、そのまま座るのではなく、ひと工夫加えてください。例えば、高反発の座布団や、厚手のバスタオルを畳んで一枚敷くだけでも、体圧分散の性能はグッと上がります。
また、メインの椅子としては心許ないかもしれませんが、以下のようなサブ用途としては非常に優秀です。
- 来客用:普段は収納しておき、人が来たときだけ出す。
- 子供・ペット用:体重が軽い子供やペットなら、クッションのヘタリも気になりにくいです。
- アウトドア・ベランダ用:汚れても気にならない価格なので、気軽に外に持ち出せます。
クッションがヘタって中のパイプやフレームが体に当たるようになったら、買い替えのサインです。無理して使い続けると、金属部分が背骨や骨盤に当たり、骨格の歪みを助長してしまうので注意しましょう。
用途に合わせた座椅子のおすすめの選び方
座椅子選びで失敗しないためには、ご自身がどんな姿勢で過ごす時間が一番長いかを把握することが重要です。姿勢によって、負担のかかる部位が異なるからです。
シーン別のおすすめタイプと姿勢のコツ
- テレビ・映画鑑賞(後傾姿勢):背中を預ける時間が長いため、首まで支えるハイバックタイプが必須です。頭の重さ(約5kg)を背もたれに逃がすことで、首・肩・腰の連鎖的な疲れを防ぎます。
- パソコン作業・食事(前傾〜垂直姿勢):骨盤をしっかり立てる必要があるため、座面が沈み込みすぎない硬めのタイプを選びましょう。柔らかすぎるとお尻が沈んで骨盤が安定しません。背もたれは低めでも構いませんが、腰部分のサポートがしっかりしているものが理想です。
- 読書・スマホ(腕を使う姿勢):腕を支えるための肘掛け付きがおすすめです。本やスマホを持つ腕の重さを肘掛けに預けることで、肩甲骨周りの緊張を緩め、背中全体の張りを防げます。
- お昼寝(フラット姿勢):段差が気にならないフルフラットタイプ。ただし、座椅子を寝具代わりにして一晩寝てしまうのはNGです。寝返りが打ちにくく、朝起きたときに体がガチガチになってしまいます。あくまで30分程度の仮眠用として使いましょう。
肘掛けの有無で変わる快適さ
腰痛持ちの方には、できるだけ肘掛け付きをおすすめします。立ち上がる際に手をついて体重を分散できるため、腰への瞬間的な負荷を大幅に減らせるからです。ぎっくり腰の経験がある方なら、この重要性がよく分かるはずです。
ただし、こたつ机で使う場合は、肘掛けが机の脚や天板に当たって邪魔になることもあります。その場合は、肘掛けを跳ね上げられるタイプや、回転して出入りできるタイプを選ぶと、ストレスなく使えます。
長時間座る際の姿勢と休憩の取り入れ方

どんなに高機能な座椅子でも、座りっぱなしは体に毒です。これは生理学的な事実です。椎間板には血管が通っておらず、周囲の組織からの浸透圧で栄養を得ています。動かずにじっとしていると、栄養が行き渡らず、老廃物が溜まってしまうのです。
30分に一度は立ち上がる、それが難しくても座ったままお尻の位置をずらすなど、こまめに動くことこそが最強の腰痛対策です。
ポモドーロ・テクニックで時間を区切る
痛くなってから休憩するのではなく、痛くなる前に動くのが鉄則です。そこでおすすめなのがポモドーロ・テクニックです。これは「25分集中して5分休む」というサイクルを繰り返す時間管理術ですが、腰痛予防にも最適です。スマホのタイマーをセットし、アラームが鳴ったら作業が途中でも手を止めて、伸びをする習慣をつけましょう。
座ったままできるプチリフレッシュ
座椅子に座ったままでも、以下のような動きを取り入れてみてください。
- 骨盤の前後運動:座ったまま、骨盤を立てる、寝かせると交互に動かします。固まりやすい腰椎の動きをスムーズにし、油を差すようなイメージで行います。
- 足首のポンプ運動:足首を上下に動かしたり回したりして、ふくらはぎの筋肉を動かします。下半身に溜まった血液を心臓に戻すポンプ作用を助け、エコノミークラス症候群の予防にもつながります。
- 肩甲骨寄せ:胸を大きく開いて肩甲骨を寄せ、深呼吸をします。猫背で圧迫された腹部を開放し、酸素をたっぷり取り込むことで、自律神経のリラックス効果も期待できます。
これらの体操は、気持ちよく動かせる範囲で行ってください。動かしたときに痛みやしびれが強くなる場合は無理に続けず、中止して医療機関に相談するようにしましょう。
※長時間同じ姿勢を避けることや、作業の合間に体操・ストレッチを取り入れる重要性は、厚生労働省の「職場における腰痛予防対策指針」でも示されています(厚生労働省「職場における腰痛予防対策指針」)。
※また、エコノミークラス症候群の予防に関する情報は、こちらの資料でも示されています(例:厚生労働省「エコノミークラス症候群の予防のために」)。
腰の神様がくれた座椅子とニトリ製品の比較

ここまで通販限定の座椅子について触れてきましたが、やはり実物を見てから決めたいという方も多いはずです。そこで、身近なニトリで探す場合、プロならどこを見るか、比較の視点をお伝えします。
腰が痛くならない座椅子をニトリで探す視点
ニトリで探す際、商品名に「腰サポート」などがついているものも良いですが、私が特に注目してほしいのは中材(クッションの素材)です。
特におすすめなのが、ポケットコイルを使用している座椅子です。これはソファやベッドのマットレスによく使われる構造で、点が独立して体重を支えてくれます。一般的なウレタンスポンジだけのものに比べて、お尻の骨(坐骨)周辺にかかる圧力を分散させる能力に長けています。
長時間座る場合、お尻の血流が悪くなると、その痛みをかばおうとして腰に変な力が入ります。つまり、お尻を守ることは腰を守ることに直結するのです。
ポケットコイルとは?
スプリング(バネ)が一つひとつ不織布などの袋に入って独立している構造。隣の振動が伝わりにくく、お尻の形に合わせて沈み込むため、姿勢が安定しやすいのが特徴です。また、ウレタンのみの製品に比べてヘタリにくく、耐久性が高いのもメリットです。
店舗での「試座」成功のコツ
お店で座るときは、恥ずかしがらずに靴を脱いで、家と同じようにあぐらや足を伸ばした姿勢をとってください。そして、最低でも5分、できれば10分程度座ったままにしてみましょう。
座った瞬間のふかふか感に騙されてはいけません。柔らかすぎる椅子は、最初は心地よいですが、時間が経つと骨盤が沈み込みすぎて腰が丸まってしまいます。10分座ってみて、腰周りに重だるさを感じないか、お尻に底付き感が出ないかを確認するのがポイントです。
ニトリの座椅子で腰痛対策におすすめのタイプ
ニトリ製品の中で比較対象になるのは、腰楽レバー座椅子シリーズや、首のリクライニング機能がついたモデルです。
特に首元のリクライニングは重要です。背もたれを倒してテレビを見るとき、首の角度調整がないと、顎を突き出すような姿勢になり、首コリや頭痛の原因になります。体はすべてつながっていますから、首の負担は巡り巡って腰の緊張にもつながります。
実際に店舗でチェックしたいポイント
- 座面の高さ:膝が痛い方は、座面が高い(分厚い)方が立ち上がりが圧倒的に楽です。逆に、こたつに入りたい場合は、座面が厚すぎると足が入らなくなるので、メジャーを持参して高さを測ることをおすすめします。
- 背もたれのカーブ:自分の背骨のS字カーブと、背もたれの形状が喧嘩していないか確認してください。背もたれが直線的すぎると、腰の後ろに空間ができて疲れてしまいます。
- 幅の広さ:窮屈すぎると体が緊張します。男性や大柄な方は、ワイドタイプを選ぶことで、ゆったりとリラックスでき、筋肉の緊張を防げます。
収納に便利なニトリのコンパクト座椅子
部屋を広く使いたい方には、コンパクト座椅子も魅力的ですよね。ただ、腰痛ケアの観点からは、メリットとデメリットを理解しておく必要があります。
コンパクトなものは背もたれが低いことが多く、肩甲骨から上を支えられません。すると、どうしても腹筋や背筋で姿勢を保つ必要が出てくるため、長時間の使用には不向きなケースが多いです。
座り心地を底上げするひと工夫
もしコンパクトタイプを使うなら、あくまで短時間の使用にするか、壁際に置いて壁を背もたれの延長として使うなどの工夫が必要です。また、座面が薄い場合は、やはり座布団やクッションを追加して、お尻への衝撃を和らげることを強くおすすめします。
収納性を取るか、腰への優しさを取るか。ご自身の優先順位をはっきりさせてから選ぶと、後悔のない買い物ができます。
機能性で選ぶ座椅子とニトリのおすすめ
最終的に、「腰の神様」シリーズにするか、ニトリ製品にするか。判断の基準を整理します。
| 比較ポイント | 腰の神様シリーズ | ニトリ製品 |
|---|---|---|
| 構造の特徴 | 腰の隙間を埋める特化機能あり (神の手機能) |
ポケットコイルなど素材の選択肢が豊富 Nウォームなど生地機能も充実 |
| 購入前の確認 | 試座が難しい(リスクあり) サイズ表記の確認が必須 |
店舗で体との相性を確認できる 質感や色味も直接見られる |
| おすすめな人 | 腰のカーブが強く、隙間ができやすい人 通販での購入に慣れている人 |
失敗したくない、実際に座って確かめたい人 インテリアを統一したい人 |
どちらが良い・悪いではなく、あなたの生活スタイルと体の状態に合うかどうかが全てです。
腰の負担を和らげる座り方のヒント
最後に、どんな座椅子を買ったとしても、これだけは守ってほしいという座り方の基本をお伝えします。これができていないと、どんな高級な椅子も台無しになってしまいます。
やってはいけない「仙骨座り」とは
最も避けてほしいのが、骨盤を後ろに倒してダラッと座る、通称仙骨座り(ずっこけ座り)です。楽に感じるのは最初だけ。この姿勢は腰椎のカーブを逆に曲げてしまい、椎間板ヘルニアなどのリスクを高める要因になりかねません。お尻が前に滑っていくような座り方は要注意です。
理想的な座り方のステップ
- まず、座椅子の一番奥にお尻をグッと入れ込みます。
- 一度、背筋を伸ばして骨盤を立てます。
- その骨盤の角度を保ったまま、背もたれに体を預けます。
これだけで、腰への負担は劇的に変わります。
タオル一枚でできる腰サポート術
もし、手持ちの椅子で腰に隙間を感じるなら、わざわざ買い替えなくても対策はあります。バスタオルを丸めて筒状にし、腰のくびれ部分(ウエストのあたり)に挟んでみてください。
これだけで簡易的なランバーサポートになり、背骨のS字カーブを支えてくれます。タオルの太さを変えれば、その日の体調に合わせて微調整できるので、私の患者様にもよくおすすめしている方法です。専用のクッションを買う前に、まずは家にあるタオルで試してみてください。
また、座っているときの腰の辛さは、実は寝ているときの環境が影響していることも多々あります。朝起きた時点で腰が痛い方は、座椅子よりも先に寝具を見直すべきかもしれません。
寝具選びについては、こちらの記事でも詳しく解説していますので、合わせて参考にしてみてください。
違和感が続くときは専門家に相談を

座椅子や寝具を変えたり、座り方を工夫したりしても、痛みが変わらない、あるいは悪化している場合は、ただの筋肉疲労ではない可能性があります。
こんなサインがあったら要注意
特に以下のような症状がある場合は、椅子のせいだと決めつけず、早めに整形外科などの医療機関を受診してください。
- 安静にしていても痛みが引かない、夜中に痛くて目が覚める(内臓疾患などの可能性も否定できません)。
- お尻から足にかけてしびれがある(坐骨神経痛やヘルニアによる神経の圧迫が疑われます)。
- 足に力が入らない、スリッパが脱げやすい、つまずきやすくなった。
- 排尿・排便に異常を感じる(尿が出にくい、漏れてしまうなど)。
- 発熱を伴う腰痛がある。
体からのSOSを見逃さないことが、長く健康に過ごすための鍵です。
セルフケアだけでは不安な場合や、自分の腰の状態を詳しく知りたい場合は、専門家に相談するのも一つの方法です。当院での腰痛に対する考え方や施術の流れについては、こちらのページでご案内しています。
腰の神様がくれた座椅子とニトリの活用まとめ
今回は、「腰の神様がくれた座椅子」とニトリ製品について、整体師の視点から解説しました。どちらも素晴らしい商品ですが、一番大切なのは、それを使いこなすあなた自身の体への意識です。
道具はあくまでサポート役。正しい座り方とこまめな休憩をセットにして、快適なリラックスタイムを手に入れてくださいね。


